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TOPAoba-BBT Education Review【解説】<J-MIRAI>が目指すグローバル人材育成の未来

【解説】<J-MIRAI>が目指すグローバル人材育成の未来

2023.05.29
ニュース
【解説】<J-MIRAI>が目指すグローバル人材育成の未来

グローバル人材育成への新たなステップ
-教育未来創造会議の第2次提言を受けて

2023年4月27日開催の第6回教育未来創造会議で、第2次提言「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ<J-MIRAI>」が取りまとめられました。

今回の提言は、コロナ後の社会における日本のグローバル人材育成の指針ともなるため、国際教育トレンドとしてぜひとも押さえておきたい内容です。注目ポイントを解説します。


INDEX

▷教育未来創造会議って?
▷POINT1:注目!海外留学生増加への高い意気込み
▷POINT2:国際的教育プログラムと学習環境の整備へ

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教育未来創造会議って?

教育未来創造会議とは、内閣官房に設置された教育政策に関する会議です。岸田文雄首相が議長を務め、関係閣僚と民間有識者が成長分野の人材育成策や社会人の学び直しを議論し、政府に提言することを目的としています。

同会議で取りまとめられた提言の具体的な行動計画については、後日、詳細なスケジュールと方針、その実施主体を含めた工程表が策定・公表されます。そして、この提案が現実のものとなるよう、政府主導で様々な施策の実行に向けた動きが進められる見通しです。

注目!海外留学生増加への高い意気込み

今回の提言の目指すところは、コロナ後のグローバル社会を見据え、人材への投資を進めることにあります。それを具現化するために、以下の3つの視点が特に強調されています。

  • コロナ後の新たな留学生派遣・受入れ方策
  • 留学生の卒業後の活躍に向けた環境整備
  • 教育の国際化の推進

 

なかでも注目すべき点は、留学生派遣に関して具体的な数値目標が掲げられている点です。

コロナ禍前に22.2万人だった日本人の海外留学生を、10年後の2033年までに50万人に増やすことを目標としています。全体としてコロナ禍前の2倍以上の数であり、非常に野心的な目標と言えるでしょう。

提言では、特に、大学院生の海外での学位取得を促進することが示されています。そのために高校段階から大学院までを通じて、短期留学から中期留学(学期単位での単位取得)、長期留学まで、段階的な取組を促進していこうとしています。

留学気運の醸成や国際交流の環境整備だけでなく、「トビタテ!留学JAPAN」の発展的推進、授業料相互免除での協定派遣(交換留学)増に向けた取組推進、官民一体となった給付型奨学金の充実など、費用面からの後押しが言及されているのも見逃せません。

多くの調査において、日本人海外留学の最大の阻害要因は経済的負担であることがわかっています。加えて、昨年から今年にかけての円安や先進国の物価高は、留学の経済面でのハードルをいっそう高めています。高い数値目標の達成には、これらの金銭的支援は欠かすことができません。今後、骨太の方針において予算増額に向けた具体的な言及があるのかなど、政府の本気度に注目していきたいと思います。

国際的教育プログラムと学習環境の整備へ

また提言では、教育の国際化推進策として、国際的な教育プログラムを履修できる教育環境の整備も示されました。

現在、世界各国が優秀な人材を獲得することにしのぎを削っています。日本は、治安などの住みやすさや文化面が評価されている一方、グローバルな教育環境面では十分な評価を得られていません。優秀な外国人材を集めるためには、より魅力的な環境を整えることが必要です。

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そうした背景をふまえ、グローバル人材育成に資する拠点校の整備など国際的な教育機関の整備推進・運営支援が示されたことも注目すべき点です。国際バカロレアは、今春、国内認定校の数が当初目標の200校に達しました。今後は教育プログラムの普及・拡大だけでなく、その教育効果を把握し、特徴や活用法を周知していく段階となります。

また、もうひとつの国際教育スタンダードの柱、ケンブリッジ国際教育プログラムの動向からも目が離せません。近年、ハロウ安比校やラグビー日本校など、イギリスに本校を置き、英国式のケンブリッジ国際教育プログラムを提供する名門校の日本進出が進んでいます。日本の学校教育法で定められた学校(一条校)でも、このプログラムを採用する学校が出てきており、注目が高まっています。今回の提言を受け、日本でもスタンダードになっていくのか楽しみなところです。

その他、国内インターナショナルスクールに関する情報充実・実態把握も進められる予定です。同時に、インターナショナルスクールの課程を修了した子どもを、一条校の中学校を卒業した生徒と同等以上の学力がある者として認め、高校入学資格を得やすくするための学校間接続の円滑化も推進される見込みです。

これらは主に日本で働く外国人材の子どもを想定した取り組みではありますが、日本にいながら国際教育を志向する家庭にとっても選択肢の拡大につながっていくことでしょう。

参考 :教育未来創造会議 提言(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/teigen.html

原稿:knockout
編集・構成:原知子

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