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KON1019「能登半島復興支援/大阪・関西万博/自民党」

2024.02.02
2024年
KON1019「能登半島復興支援/大阪・関西万博/自民党」

▼能登半島復興支援
本当に必要な地域への助けは届かず

能登には観光スポットがたくさんあります。私はこれまで何度も海岸線をバイクで回っています。金沢でおいしいものを食べ、千里浜を通って、輪島に寄ったりもしました。能登半島最先端にあるランプの宿、そして千枚田なども思い出しますが、今回の震災で付近の道路はガタガタになっていると聞きます。能登島に行くには橋が二つあり、島から南に下ると七尾へ、そして富山県の氷見に抜けることができます。本当に素晴らしい場所だったのです。
今、観光庁が50%オフの割引補助となるという旅行支援策「北陸応援割」の実施を予定しています。実施期間は今年の3月からゴールデンウイーク前で、北陸の被害が少ない地域にとってはありがたい施策です。しかし和倉温泉など最も被害が大きい地域ではこの期間では難しく、こういった支援策は復興後に行うべきだと思います。そして復興を進めるにも、カキなどの海産物を流通させるにも多くの人手と資金が必要だからです。

▼大阪・関西万博 岸田首相に延期を進言
万博延期の進言理由は「奈良」にあり

高市経済安全保障担当大臣は27日、能登半島地震の復興を優先すべきとして、2025年の大阪・関西万博の延期を岸田総理に進言したことを明らかにしました。復興に必要な資材の価格高騰や人手不足が理由ということですが、2020年のドバイ万博も新型コロナで1年延期されたとし、被災による延期も国際社会の理解を得やすいと強調したということです。

高市氏は、突然目が覚めたように見えますね(笑) 今回の背景を説明しますと、彼女の選挙区は奈良県で、これまで奈良県では知事選など維新の会が優勢であり、その維新の会が推進しているのが大阪万博です。あまり知られていませんが、高市氏は安倍派に入りたかったのですが、それはかないませんでした。しかし今は安倍氏も亡くなり安倍派も解散となれば、怖いものはありません。これからは自分の立場をもっと前に出し、維新の会をたたいて選挙の邪魔をさせないようにとの思惑が働いているのだと思います。高市氏には右翼系の後ろ盾もあるようですが、維新の会の出方によっては手打ちとするか、最後までやるか、今後の動きを注視したいと思います。国の中枢にいながら高市氏は大胆なことを言うと思われているでしょうが、本質は「奈良」の事情だということです。

しかし高市氏の発言は、首相にとっては大変な圧力になったと言えます。今は能登半島地震の復興に力を入れる時期であり、大阪万博のような来場者数も見込めず、開催後には取り壊される施設にお金をかけるなんてと、岸田氏への風向きは非常に悪くなっています。さらに会場建設費など大阪万博に直接投資する費用は数千億円ですが、関連するインフラ整備費は数兆円であることも問題になっており、ますます岸田氏の立場は危ういものとなるでしょう。

▼自民党 平成研究会(茂木派)退会の意向
麻生派解散も時間の問題か

自民党の小渕優子選挙対策委員長は25日、所属する平成研究会、茂木派を退会する意向を示しました。自民党が1989年にまとめた政治改革大綱に党幹部や閣僚が在任中、派閥を離脱することが明記されているのを受けたものですが、一方、麻生派を存続させる方針の麻生副総裁は27日、政策集団としての派閥の役割を強化し、信頼回復を図る考えを強調しました。

小渕優子氏は小渕恵三氏の次女であり、平成研究会、通称、茂木派はもともと小渕恵三氏がつくった派閥です。それ故に小渕優子氏が茂木派の家主のようなもので、自民党四役の一つ、選対委員長を務める小渕氏が退会となれば、他にも退会する人が次々と出てくると思います。小渕氏が次の首相にと期待していた人もいましたが、彼女が退会するならば、人望に欠けると言われる茂木氏の下に集う意味はなくなり、いずれ茂木派は解散となるでしょう。安倍派、二階派、岸田派、森山派は既に解散を決め、茂木派もそれに続くとなれば、残るは麻生派だけとなります。

しかし生粋のKYな人物である麻生氏は、派閥解散に反対しています。これまで何でも相談してきた岸田氏が自分を無視して派閥解散を決めたことに、へそを曲げているのが理由です。そもそも麻生派の元は河野派で、麻生氏は家主ではありません。麻生派は権力を持っている以外に、何の役割も果たしておらず、最初に解散すべきは麻生派でした。

麻生氏は、麻生派は政策集団であると言っていますが、麻生派が政策を出したことはありません。面白いことを言ったものだと、私は腹を抱えて笑いました。そして新聞記者には「政策集団として活発化ということですが、それなら皆を納得させるために政策事例の一つや二つ出してください」と、麻生氏を追い込んでほしかったと思います。お金持ちの麻生氏ですから、お金のことなんか関係ないと言うのはいいのです。しかし政策集団として活発化など、政策を一番苦手とする麻生氏には言えることではありません。私がもし日本の総理大臣になれば、1日で20もの政策を出せる自信があります。いずれ麻生派は解散となるのは間違いありません。麻生氏が解散を望まなくても、麻生派を脱出する人が続出するでしょうから、自ら墓穴を掘ったことに気付く日も近いと思います。

—この記事は2024年1月28日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています。

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