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【NTTアノードエナジー様】データセンター事業の拡大に向けた「英語人材育成」─ 23名体制へ。3年間の成果と次年度設計

【NTTアノードエナジー様】データセンター事業の拡大に向けた「英語人材育成」─ 23名体制へ。3年間の成果と次年度設計

取材協力:NTTアノードエナジー(渡辺様)/インタビュアー:Aoba-BBT(塚原、豊田)

データセンターの現場では、国内拠点であっても英語話者と協働する機会が増えています。海外にルーツを持つメンバー、日本語が話せない関係者と同じ現場で常駐し、日常会話から業務上のコミュニケーションまで英語で対応する

――そんな状況が“前提”になりつつあります。

NTTアノードエナジー様でも、データセンター事業を推進する中で「現場で最低限、英語でコミュニケーションできる技術者を計画的に育てる必要がある」と判断し、約3年前から英語人材育成の取り組みを継続してきました。

次年度は継続17名+新規6名の計23名体制へ拡大予定。3年間の成果と、次年度に向けた設計思想を渡辺様に伺いました。

英語強化が急務になった理由:現場の“前提”が変わった

渡辺様が最初に語ったのは、事業側の変化です。NTTアノードエナジー様にはエンジニアリングソリューション事業があり、その一部としてデータセンター事業を推進しています。

データセンター事業では、海外にルーツを持ち、日本語が話せない方と同じ常駐先で業務を進める機会があり、英語は「できたら良い」ではなく、「必要になる可能性が高いスキル」へと変わっていきました。

渡辺様は当時を、次のように振り返ります。

「海外ご出身の方、日本語が喋れない方、英語しか喋れない方と、同じ常駐の現場で一緒に仕事をする可能性がある。日常的なコミュニケーションからビジネスのコミュニケーションまで、準備しなければならないと思い立ったのが3年前です」

その危機感を起点に、向こう3年間で一定数の人材を育て、各データセンター現場で活躍できる状態を作る

――それが取り組みのスタートでした。

受講者は次年度23名へ:継続17名+新規6名の設計

現在の受講者は20名超。次年度は、異動等で一部離脱がある前提で、継続17名・新規6名の計23名を計画しています。

▼次年度の受講体制(予定)

区分 人数 位置づけ
継続 17名 学習を継続し、現場想定の英語へ段階的に引き上げ
新規 6名 英語学習を新たに開始し、基礎土台を形成
合計 23名 次年度の対象者

新規の選定は、「データセンター事業への関心」「英語が必要になる認識」「学習意欲」を重視。渡辺様は、英語学習はモチベーションが成果に直結するため、意欲面を重要視しているといいます。

▼選定基準
・データセンター事業に関心がある
・将来的に海外案件に関わる可能性がある
・英語学習への意欲がある

目標設定:新規はTOEIC600点、継続は“750点の壁”に挑む

受講者の区分ごとに目標を設定し、役割を分けて設計しています。

目標イメージ

新規受講者の目標

新規受講者の目標は以下の通りです。

▼目標スコア
・TOEIC600点以上

主にリスニング・音読練習を中心に基礎力を強化します。まずは英語を「理解できる状態」を作り、現場での英語コミュニケーションの土台を整えます。

継続受講者の目標

継続受講者には、より高い目標が設定されています。

目標 内容
TOEIC 750点以上
目的 ビジネス英語レベルへの到達

しかし実際には、750点を超える社員はまだ数名程度にとどまっています。

そのため次年度は、単に英語学習を継続するだけでなく、学習内容そのもののアップデートも検討されています。

渡辺様は「続けるだけでは届かない領域がある」ことを踏まえ、次年度は継続組の学習の“中身”を変えていく構想を持っています。

なぜAoba-BBTのプログラムを選んだのか

:現場で生きる英語×ゼロからの設計

世の中には、英会話スクールやオンライン英会話など多様な選択肢があります。その中で、当時重視していたのは次の2点でした。

選定のポイント

  • 現場で発生しうる英会話を想定して練習できること
  • 初級者がゼロから学べるよう、日本人講師が伴走できること

渡辺様の言葉でいうと、

「英会話を受けるだけではなく、想定される現場英会話の練習、ゼロから教えてくれる設計がほしかった」

“会話量”だけでなく、業務で使うことを前提にした設計と、初級者がつまずかない支援体制。この2つを満たすことが選定の決め手になりました。

想定される現場英会話を練習するため、過去から弊社で作成・利用していたデータセンターの概要や、電気・機械設備を英語で学ぶ教材を基に、学習教材を作成いただきました。
これは当社として最も喜ばしかったことです。私自身もこの教材を用いて本施策を受講しました。
現場で実際に扱う装置、身近な単語、表現や場面をこのテキストを用いて学習することができる教材で、日本語訳・単語・表現リストを搭載しており、英語初心者でも忌避なく使える教材になっています。

受講後の評判:「日本人講師が発音から指摘してくれる」価値

実際に受講して特に評判が良かったのは、日本人講師の存在でした。

社内で評価されたポイント
・ 発音や言い回しを、緊張せずに指摘してもらえる
・初級者がつまずく点を、日本語で補助しながら修正できる
・間違いが“癖”として固定化するリスクを抑えられる

渡辺様は次のように語ります。

「正しい喋り方・発音の仕方を、緊張せず教えてもらえる機会を作るのは大事」

プログラムの全体像:短期集中+オンライン英会話+定期コーチング

NTTアノードエナジー様の英語育成プログラムは、「短期集中で基礎を作り、その後の継続学習で実務レベルへ引き上げる」設計で構成されています。
単発の英語研修ではなく、基礎学習→実践→修正→再実践というサイクルを継続的に回すことを前提としたプログラムです。

全体の流れは、大きく以下の3つのフェーズで構成されています。

フェーズ 内容 目的
短期集中(約3ヶ月) 基礎学習・発音矯正・基礎文法・英作文 英語理解・構文力の土台を作る
継続学習(オンライン英会話) 定期的な会話トレーニング 実際に英語を使う経験を増やす
定期コーチング(月1回) 発音・表現・課題のフィードバック・学習のモニタリング・英作文に基づく実践会話練習 学習の方向性を修正し定着させる

短期集中フェーズ:まず「理解できる状態」を作る

最初の約3ヶ月は、短期集中で英語の基礎力を強化する期間です。
リスニング・音読・英作文・基礎英文法の復習を固めると同時に、発音や基本表現のトレーニングを行い、「英語が聞き取れない」「話す前に止まってしまう」といった初学者の壁を越えることを目的としています。

渡辺様によると、英語学習の初期段階では「理解できない状態」のまま会話練習を続けても成果が出にくいため、まずはインプット中心の短期集中期間を設けることが重要だといいます。

この期間で、英語の音・文構造・基本表現に慣れることで、その後の会話トレーニングの吸収率を高める狙いがあります。

継続フェーズ:オンライン英会話で“英語を使う環境”を作る

基礎を習得した後は、オンライン英会話を活用して継続的にアウトプットを行います。
ここでは、英語を「勉強する対象」ではなく、実際に使うツールとして扱うことが重要になります。

会話の中では、以下のような、実務に近いコミュニケーションを想定した練習を行います。

  • 現場で想定される会話
  • 業務上の説明
  • 技術的なやり取り

渡辺様は、このフェーズの価値について次のように語ります。

「英語は結局、使う機会がないと身につかない。オンライン英会話で“英語を話す環境”を作ることが重要だと思っています。」

また、継続的に英語を話す経験を積むことで、英語に対する心理的ハードルを下げる効果もあるといいます。

定期コーチング:学習の方向性を修正し、定着を促す

プログラムでは、月1回の定期コーチングも実施されています(最初の3ヵ月は毎週)。
このコーチングでは、受講者の学習状況や課題を整理し、次のステップを明確にします。

具体的には、以下のような内容が行われます。

  • 発音や表現の矯正
  • 会話の中でのエラーのフィードバック
  • 学習方法の改善提案
  • 目標スコアに向けた学習設計

英語学習では、独学や会話練習だけでは間違った表現が定着してしまうリスクがあります。
そのため、定期的に第三者がアウトプットをチェックし、方向性を修正する仕組みが重要になります。

渡辺様も、このコーチングの役割について次のように評価しています。

「英会話をやっているだけだと、間違った言い方のまま覚えてしまうこともあります。
定期的に発音や表現を修正してもらえるのは大きいですね」

【成果】TOEIC平均は400点台→500点台へ。大幅アップも一定数

渡辺様が共有したのは、新規カリキュラム受講者(母数25名)の推移データです。設計としては「短期集中→継続→隔月コーチング」の運用を前提に、1年間の変化を見ています。

  • TOEIC平均:400点台→500点台へ上昇
  • 150点以上アップ:一定数(渡辺様の説明では、母数25名のうち数名規模)
  • 100点以上アップも含めると、上昇者がまとまって出ている

渡辺様は、短期で爆発的に伸びる人が全員ではない一方で、

「1年間継続すると、スコア向上の再現性が見えてくる」

という手応えを語りました。

スピーキングは“じわ伸び”でも、分布が上に移動した

スピーキング(BEST)の伸びはTOEICほど急ではないものの、分布の中心が上に移動した点が重要でした。

分布の変化(渡辺様の見立て)
・以前:20点台・30点台が点在、中心は40点台
・現在:下位層が上に寄り、中心が45〜55点帯へ

現場感覚に置き換えると、次のような違いになります。

スピーキングスコア帯 現場でのコミュニケーション状態
20点台 質問に対して「答え切れていない」ケースが混じる
30点台 最低限の一言は返せる
40点台 一言に加えて、短い文で返せる場面が増える
45〜55点帯 自分から発言できる頻度が増え、「いつ話してもいい」状態に近づく

渡辺様も、

「下の層が上がっているのがポイント」

と語り、“底上げ”が起きている点を重視していました。

3年継続の破壊力:150点以上アップがほぼ全員、スピーキングも2階級上がる

さらに特徴的だったのが、3年間継続した8名のデータです(母数は少ないが傾向が強い)。

  • TOEIC:150点以上アップがほぼ全員(1名を除く)
  • 400点以上アップのケースもあり
  • スピーキング:20点以上アップ(2階級上)が半数以上
  • 30点以上アップも出ている

この結果が示しているのは、「継続が効く」だけではありません。
渡辺様の実感としては、伸びが見えるまでにタイムラグがあることが重要でした。

変化を実感したのは1年半後:「ふと気づいたら返せていた」

渡辺様ご自身の体験として印象的だったのが、“転換点”の話です。

「1年目は正直、成長の色が見えなかった。でも1年半くらい経った頃、オンライン英会話で言われていることが分かり、返せる自分に気づいた」

刺激的な成功体験というより、ある日ふと「通じている」「返せている」ことに気づく。そのリアルな時間軸が語られました。

さらに、海外事業者との会話機会が増え、原稿を用意して臨んでいた状態から、ざっくばらんに会話できる状態に変わっていったエピソードも印象的でした。
受け身ではなく「自分が話さなければならない」場面(アウトプットが強制される場面)が、変化を後押ししたといいます。

壁に当たるのは普通:「U型学習カーブ」で“正確性が下がる時期”が来る

継続組の課題として、60点→70点(中級帯から上)への移行が難しいという話が出ました。そこは「学習カーブ(学習曲線)」の考え方で説明することができます。

  • 学習初期:理解したつもりで正確性が高い(単純にお手本を真似ているため)
  • 中盤:学習内容が内在化していくにあたり、試行錯誤をするために正確性が下がる
  • 後半:正しい用法が自動化され、正確性が上がる

つまり「間違いが増える時期」は、伸びている途中。そこをどう支えるかが次年度設計の論点になります。

伸びる人の共通点:「レッスン外のアウトプット」を自分で作っている

スコアが大きく伸びた人には共通点がありました。
それは、レッスン外でアウトプットの仕組みを持っていたことです。

具体的には、スピーキング系アプリ(例:Speak)を導入し、自由に話す練習を積んでいたケースが確認されています。オンライン英会話は特定表現の練習には強い一方で、「自分が言いたいことを自由に組み立てて話す」訓練が不足しがち。その穴を埋めた人ほど伸びた、という示唆が得られました。

次年度の改善:継続組を2レベルに分け、グループディスカッション+AIアプリを追加

次年度のアップデート方針は明確です。

次年度アップデートの骨子

  • 継続組はレベル別に2分割
    • 基礎:土台強化を継続
    • 応用:現場想定のビジネス会話へ
  • 一対多のグループディスカッションを導入
    • 個別指導では人によって日常会話寄りになりやすく学習に偏りが出る
    • ビジネス寄りのテーマを固定し、複数人で議論する訓練へ
  • すき間時間のアウトプットとしてAIアプリを試験導入
    • “単語をポチポチ”ではなく、話して鍛えるタイプを想定
    • デスク前以外の時間に学習を取り込む

「現場で英語しか話せない人とビジネスの話ができるようにしたい。テーマを決めて一対多でディスカッションする訓練がほしい」

“現場で使える英語”を次の段階へ進めるため、アウトプット密度を上げる設計が中心になります。

会社のバックアップ:費用全額負担+業務時間内受講を許可

制度面の支援も整えています。

  • 費用:全額負担
  • 業務時間内の受講:上長承認のうえで許可(平日日中にコーチング等が入るため、運用上必要)
  • インセンティブ:現時点では未設定

英語学習を“自己研鑽”ではなく、業務に必要なスキル習得として位置付ける姿勢が一貫しています。

受講者へのメッセージ:「1日10分でも声に出せば、次第に身につく」

忙しさや不安がある人に向けて、渡辺様は強いメッセージを残しました。

「一日10分でも声に出して喋ることが重要。今は英語を喋る機会がいくらでもある」

また、英語への心理的ハードルについても変化があったといいます。
「完璧じゃなくていい。返せればOK」という感覚が広がり、英語が“特別なもの”から“仕事のツール”へ変わっていく実感が語られました。

ただし根っこにあるのは、まず「ちょっとでもコミュニケーションできる」状態を現場に増やすこと。
その積み上げが、事業拡大の現場を支える力になる

――渡辺様のお話からは、その設計思想が一貫して伝わってきました。

【プロフィール】
NTTアノードエナジー株式会社 
東日本事業本部 エンジニアリングサービス部
電力サービス部門 データセンターサービス担当 渡辺 貴之

2023年度より上記組織に所属、本プログラムの設計・導入を担当
自身もプログラムに参加し、データセンター人材の語学育成を支援

文責:Aoba-BBT 法人研修事業本部 マーケティング部(松山)

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