新型コロナ下における中国の新たなトレンド

本記事は、ビジネス・ブレークスルー(BBT)が提供する、7,000時間超のビジネス動画が見放題の学習サービス「AirSearch」より「新型コロナ下における中国の新たなトレンド　講師：Joon Sung Park氏　Legend Capital パートナー、Managing Director 2021年1月14配信」を一部抜粋した内容です。

AirSearchはビジネスの課題を解決する知識やスキルを習得することができ、企業研修としても取り入れられています。

新型コロナ下における中国の新たなトレンド

新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中で医療制度の崩壊や経済の停滞が起きてから約1年、主要先進国がいまだに後を絶たない中、中国は大国でありながらいち早く回復し、すでに新産業の創出による立て直しに着手しています。

伝統の国である中国において、今回のパンデミックに対して、慣れ親しんだやり方では通用しないことが多く、新たな取り組みを展開する必要がありました。中国政府は、開発中の新産業のあらゆる側面に厳格な規制を設け、国民、経済、環境を守るための適切な政策を講じるよう早急に指示しました。
さらに、これらの規制には、パンデミック以前にはほとんど導入されていなかった環境・社会的セーフガードの規定が含まれていることが多いのが特徴です。

この3回シリーズでは、コロナ禍が中国経済に与えた影響を解説するとともに、この災害がもたらした機会をチャンスと捉えて躍進している5つの産業を紹介します。

講師は、レジェンド・キャピタルのパク・ジュンソン氏でソウルから講義されます。本講義では、経済動向に対する豊富な洞察力と、緩和のための革新的なアプローチをもって、新興企業から多国籍企業まで、パンデミックによって動き出した産業と、その極度の逆境に直面しながらも成長を続ける軌跡を、包括的に紹介します。

2019年12月にコロナが発生した中国は、2020年3月以降、新規患者数を100人未満に抑えています。
2020年GDP成長率は、世界平均の-4.4％に対し、第1四半期は-6.8％ですが、第2四半期に+1.9％と上昇に転じています。
コロナ禍でも成長している要因としては、好調な輸出、内需拡大、民間資本流入などが挙げられますが、何よりも政府支出が大きいところでしょう。

新たなインフラとして5Gに約4.5兆円の投資が発表され、5月の時点で実施されています。
ソフトバンクは2030年までに35万局の5G基地局を設置すると公言してますが、中国ではすでに70万局が稼働し、5Gの加入者数は1億5千万人を突破しています。

こうした5G技術への新たな投資は、中国経済に劇的なプラスをもたらし、これまで以上に自動化・効率化を可能にします。
自動化分野へのさまざまな投資により、銀行取引における顔認証、ドローンによる食品配達、自動運転タクシーといったものが急速に普及し、日常生活の利便性が向上しています。

その他の分野でも、人工知能、ビッグデータ、量子コンピューティングの進歩が、中国全体の経済パフォーマンスを押し上げています。5Gをはじめとするさまざまな技術分野の実力で、中国が近年、力強い経済回復を遂げると予測されるのは当然のことです。

レストラン、旅行、ホテルなどの業界が甚大な損失を被る中、急成長しているのがオンライン教育分野です。

米国の株式市場には、学習塾など58社が上場しているという実績があります。
首位のTALは時価総額426億米ドルで、オフラインの教室でオンライン講義を受け、現場のアシスタント教師がフォローするK-12（幼稚園から高校まで）向けのOMO（Online Merges with Offline）サービスでよく知られています。同社は、このサービスの先駆者として有名で、オンラインとオフラインの同時教育で圧倒的な成功を収めています。

さらに、オンラインコースでは、実際に教室に通うことによる物理的な制約を受けることなく、自分のペースでコースを修了することが可能になり、自宅にいながら柔軟に学習することができるようになりました。

さらに、オフライン教育とオンライン教育の組み合わせは、教育者にいくつかの実用的な利点を提供します。
例えば、ビデオ講義では映像コンテンツを効果的に活用することができますし、会議ツールでは遠隔地での共同授業を可能にします。

インタラクティブなオンラインメディアの膨大な技術的進歩を活用し、学生や教師のニーズに適応させることで、TALは教育業界に強力な先例を打ち立てたのです。
最終的に、オンライン教育とオフライン教育の組み合わせは、学習への革新的で価値あるアプローチであると同時に、TALのような企業にとって利益をもたらすベンチャーであることが証明されています。

オンライン教育の市場シェアを拡大し、各社がより多様なサービスや教育コンテンツを提供できるような土壌が中国全土に広がりつつあります。

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