人材育成マガジン
巨大市場ラテンアメリカで躍進するスタートアップ
本記事は、ビジネス・ブレークスルー(BBT)が提供する、7,000時間超のビジネス動画が見放題の学習サービス「AirSearch」より「巨大市場ラテンアメリカで躍進するスタートアップ 講師:ブラジルベンチャーキャピタル代表取締役 中山充氏」を一部抜粋した内容です。
AirSearchはビジネスの課題を解決する知識やスキルを習得することができ、企業研修としても取り入れられています。
巨大市場ラテンアメリカで躍進するスタートアップ
中南米は日本から遠く、南半球最大の都市サンパウロからは約18,000km離れています。サッカー、サンバ、コーヒーなど活気ある文化で知られる一方、社会、経済、インフラなど多くの課題を抱えています。一方では、多くのスタートアップ企業がこれらの問題に新たな解決策を提供し、ラテンアメリカ市場の可能性を世界に紹介しています。
当動画では、ブラジル在住10年、ブラジルベンチャーキャピタル創業者の中山充氏を講師に迎え、巨大市場ラテンアメリカについて詳しく解説します。第1回目は、ラテンアメリカの概要をASEANと比較しながら、「なぜラテンアメリカに注目するのか」というテーマで基礎的な解説を行っています。
中南米は日本からの契約移民の主な受け入れ先であり、120年の歴史がありますが、両国間のビジネス関係はまだまだ弱いのが実情です。貿易額でも日本の3%に過ぎず、今後の現地進出が期待される地域でもあります。
スタートアップ企業が成長するためには、「大きな市場」「整備されつつあるインフラ」「多数の問題点」「起業環境の充実」の4つの要素が必要です。
ブラジル・ベンチャー・キャピタルは現在、南米8カ国をカバーし、2018年からサンパウロで日本スタートアップフォーラムを開催しています。
少しずつですが、起業家や投資家が参加するようになり、潜在的な機会を洞察するために積極的に関与しています。
ブラジルに興味を持った人たちは、地政学的・財政的安定性、新興国市場へのアクセス、イノベーション、文化や企画力、競争力のある風景や活気ある経済活動など、すでに数多くの知見を発見しているようです。
実際の進出はまだそれほど多くはありませんが、多くのスタートアップ企業にとって、南米はまだまだ未開拓の市場であるため、ビジネスチャンスを創出する地としてのポテンシャルが高い点は見逃せません。
ほぼ同じ人口規模のASEANと中南米を比べると、GDPは1.5倍で、2050年にはブラジルとメキシコが日本を追い抜くと予測されています。ブラジルとメキシコは、GDPだけでなく、技術的な進歩の点でも2050年には日本を追い抜くと予想されています。ブラジルとメキシコは、このような進歩の最前線に立ち続けるために、さまざまな取り組みを行っています。
両国は、スペイン語とポルトガル語が主要言語であり、文化はローマ・カトリックで、大陸で陸続きという地理的優位性を持っています。ブラジルとメキシコが経済をリードし、周辺国の発展が期待されます。
特筆すべきは、国際的な友好の絆を強く結び、文化的にも経済的にも、この地域のために資源を共有し、同盟を結ぼうとしていることです。
2018年には、2種類の関税同盟を統一する協定が発行されましたが、まだ実現には至っていません。幸い、両国はこの協定を強化することを約束し、この協定が地域全体にとって有効かつ有益なものとなるよう取り組んでいます。
中南米は長い間植民地支配を受け、1980年頃に自由主義に入りました。人口は現在の6億5千万人から最終的には7億7千万人に増加すると予測されていますが、現実には低所得者や貧困層の人口が毎年飛躍的に増加しています。
税制は支配階級に有利なままであり、数年前までは3人に1人が銀行口座を持っていないなど、金融サービスへのアクセスに格差があることが明らかになりました。
このような不平等は、この地域の多くの国々が公言する機会均等の理想とは全く相反するものです。
このように、社会構造にはまだまだ改善の余地があり、そこにテクノロジーが参入することで、スタートアップ企業が大きく飛躍する背景があります。その目的は、バックグラウンドに関係なく人々に経済的な機会を創出し、これまで重要な機会を奪われていた人々が社会経済的な地位を向上させることを可能にすることにあります。
今後、低所得者層向けのサービスや金融インフラの整備が進めば、銀行サービスや医療へのアクセスを容易にするなど、あらゆる分野のサービスに乗り出すための入り口となるでしょう。
例えば、ブラジルでは、多くの新興企業が金融リテラシーの向上やデジタル決済サービスへのアクセスを提供する技術の開発に注力しています。これは、低所得者層が経済的な目標を達成するために不可欠なものです。さらに、より多くの雇用機会やより優れた金融サービスへのアクセスも提供します。詳しくは、ブラジルの起業家へのインタビュー『未来をつくる起業家』もご覧ください。
次回は、スタートアップの4つの条件のうち、「環境の充実」をテーマに、金融分野の動向を中心に解説します。
7,000時間超のビジネス動画が見放題の学習サービス「AirSearch」
本記事の動画を含め、ビジネスの課題を解決する知識やスキルを習得することができます。
まずは登録・申込不要の無料ダイジェストをご覧ください。
人事・育成担当者様へご案内
人事担当者様および育成担当者様にAirSearch無料体験をご用意しています。
ご興味ございましたら、ぜひ下記よりお問い合わせください。
関連する記事
-
2,000人の経営人材候補を育成してきた責任者が語る。次世代リーダーの育成とその必須要素
記事 -
DXにより変貌する東南アジア
記事 -
20代から始める学び直し時代に淘汰されない“稼ぐ力”を身につける「リカレント教育」
記事 -
新型コロナ下における中国の新たなトレンド
記事 -
日本のリカレント教育は世界最低!?スウェーデン、デンマーク、中国に学ぶ21世紀の人材戦略
記事 -
【戦略人事虎の巻③】新規事業開発を担う人材の見つけ方
記事 -
アフターデジタル時代のUXデザインとグロース戦略論
記事 -
【戦略人事・虎の巻①】次世代経営人材の見つけ方・育て方
記事 -
DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方
記事
資料ダウンロード
-
ホワイトペーパー・総合
大前研一が示す 21世紀の人材戦略
大前研一による日本企業の人材戦略・雇用制度の具体的な問題点や取り組むべき課題、これからの組織人事制度の考え方まで、客観的資料や具体的な事例をご覧ください。
-
構想力(イノベーション) ソフトスキル ハードスキル グローバルコミュニケーション
[総合]人材育成プログラムのご紹介
貴社の未来を創り、変革を先導できる人材の育成をサポートするAoba-BBTの研修プログラムの一部をご紹介します。
-
構想力(イノベーション) 選抜型研修
戦略思考・構想力を身につける
若手選抜社員から経営層まで。視座と視野を高める/自ら考え判断する力を鍛える/既存を脱却し他未来を考えるためのプログラムをご紹介します。